目次
はじめに
さまざまな種類の財産を所有されており、どれから生前贈与すれば良いか悩んでいませんか?
この記事で紹介する贈与財産ごとの特徴と注意点をご覧いただければ解決する事ができます。
なぜなら、どの財産を贈与するかによって相続対策への影響は異なるからです。
この記事では、どの財産を贈与するかご判断いただくときのポイントを、贈与財産ごとの特徴と注意点からご説明します。
この記事を読み終えると、生前贈与でどの財産を渡すか悩むことなくご判断いただけるようになまりす。
金庫に保管している現金の贈与
現金の贈与は、注意しなければいけません。
いつ問題になるかといいますと、相続税の税務調査において問題になります。
相続税の計算は、相続開始時点において計算します。
つまり、相続開始時点における財産金額の合計額が相続税の課税対象となります。
これを軽減するために有効な手段の1つは、本稿の題材になっている「生前贈与」ですが、現金の贈与は「その贈与が有効に成立しているか」が相続税の税務調査において確認されます。
客観的な贈与の証拠を残すようにしましょう。
※特に現金贈与の場合は客観的な贈与の証拠が難しいため、贈与証書を作成する等第三者が、贈与であると認識出来る程度の痕跡を残した方が後日税務調査等で指摘を受けないために有効かと思われます。
銀行預金を振り込みにて贈与
現金の贈与よりも、客観的な証拠となります。
しかし、例えば以下のような場合は振り込みをしても、その贈与が有効に成立しているかどうかが相続税の税務調査において問題視されます。
- 例1.贈与者名義の口座から、受贈者名義の口座に振り込んでいるが、受贈者はその口座の存在を知らない。
- 例2.振り込みを受けた口座の通帳と銀行印を、贈与者が管理している。
これらに当てはまる場合は、弊社に一度ご相談ください。
証券会社の有価証券を贈与
証券会社における有価証券の移管は、有効な客観的証拠になります。
手続きの厳格さから、贈与の成立そのものが問題となることは通常少ないです。
相続税対策という目線から、有利な贈与をするときは以下も検討しましょう。
- 1.贈与日の前2~3ヶ月で価格が成長しているものから贈与しましょう
- 2.高配当、高収益なものから贈与しましょう
- 3.その有価証券が3年10ヶ月以内に相続税を払って取得したものであるときは、現物を贈与するのではなく、換金したお金で贈与することも検討しましょう。
※なお、負担付贈与や対価を伴う渡し方をするときは、評価方法が変わります。詳しくは弊社までお問い合わせください。
土地と建物を個人へ贈与
不動産は相続の際に遺産分割協議が難しくなりやすいため、生前に渡しておくことは、円満な相続を実現するために有効な手法です。
ただし、①コスト面 ②相続税対策 の目線から例えば以下のようなデメリットもありますのでご確認ください。
- ①コスト面
- 相続で渡すよりも、名義を変えるときのコストが高くなりやすい
- ・不動産取得税 0% ➔ 3%
- ・登録免許税 0.4% ➔ 2%(令和3年3月末までは1.5%)
- ・相続税 ➔ 贈与税 に課税される税目が変わります。
②相続税対策
・小規模宅地等の特例が使えない(自宅の場合330㎡まで80%減額)
※なお、負担付贈与や対価を伴う渡し方をするときは、評価方法が変わります。
詳しくは弊社までお問い合わせください。
土地と建物を法人へ贈与
会社経営をされている方が対象となります。
子に会社ごと贈与してあげたいときに検討することになりますが、課税上は以下の注意点があります。
- ①みなし譲渡
- 0円で法人へ不動産を贈与すると、贈与者は時価で譲渡したものとみなして所得税が課税されます。
- ②跳ね返り贈与
- その法人に他にも株主がいる場合、0円で不動産を法人へ贈与することで、他の株主が持っている株式の価値が高まります。高まった価値の金額だけ、贈与者から株式を贈与により取得したものとみなして贈与税が課税されます。
- ③法人の受贈益
- 法人は0円で不動産を取得するため得をします。その得した金額だけ、法人税が課税されます。
- ④法人の不動産取得税、登録免許税
- 上記の内容と同様、法人が不動産を取得した場合においても、固定資産税評価額をもとに同様に不動産取得税と登録免許税が課税されます。
自社へ貸し付けている貸付金を贈与
会社経営者が会社にお金を貸すことは珍しくありません。
経営のときは、融資の査定で特にマイナスになることはないですし、貸していることによって法人税や所得税が高まることもありません。
しかし、相続のときに以下のような問題点があります。
- ①すぐに貸付債権の全額を返済してもらえるわけではないのに、相続税が課税されてしまう
- ②安易に後継者以外に貸付債権を贈与すると、会社の後継者が後で苦労をする
対策1:会社帳簿上の「借入金の発生原因を究明」
つまり、その借入金は「本当に経営者からの借入金か」を分析し
そうでないならば必要な範囲内で過年度の帳簿や法人税申告の修正等を検討しましょう。
対策2:生前に後継者予定者に贈与
貸付金は請求すれば会社から返還を受けることができる債権です。
会社が返済をすることで、経営上の資金繰りが悪化します。
特に予期せず起きる突然の支出は後継者にとっては相当苦しいものになります。
なるべく貸付金は後継者へ贈与するようにしましょう。
おわりに
この記事では、どの財産を贈与するかご判断いただくときのポイントを贈与財産ごとの特徴と注意点からご説明しました。
もう一度まとめますと
- 贈与は有効に成立したことを客観的な証拠で残しましょう
- 贈与で振り込みを受けた口座は、もらった人がしっかり管理しましょう
- 有価証券の贈与は直近で株価が成長しているもの、高収益・高配当なものを優先して贈与しましょう
- 不動産の贈与はコスト面、税金の課税、相続税への影響を考慮しないといけませんので、弊社にお問い合わせください
- 自社へ貸し付けている貸付金の贈与はなるべく後継者へ渡すようにしましょう
生前贈与の注意点に関することは、お気軽に福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)にお問い合わせください。
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