2022.10.20

郵便局舎の敷地に係る相続税の課税の特例について

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

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はじめに

相続税申告において、土地の評価額を大きく下げることができる小規模宅地等の特例があることをご存じな方は多いと思います。
この小規模宅地等の特例には、その宅地等の用途に応じて複数の種類があります。その中に、郵便局舎の敷地の用に供されている宅地等も含まれています。
この記事では、この制度の概要や特例適用のための要件などについてご説明します。

制度概要

国営事業用宅地等というものが平成19年10月1日(郵政民営化法の施行日)までは存在していました。
国の事業の用(特定郵便局の用)に供されている宅地等は、400㎡まで80%減額ができるという制度でしたが、郵政民営化により小規模宅地等の適用対象から除外されたのです。


しかし、土地を貸している側からすれば賃貸先が日本郵政公社から郵便局株式会社へ変更しただけであるのに、小規模宅地等の特例が適用できなくなるのは酷であるため、一定の要件を満たせば特例対象宅地等とみなされることになりました。
経過的措置のため、一定期間後には無くなる措置である点にご注意ください。

要件

・平成19年10月1日前から旧日本郵政公社と賃貸借契約に基づき郵便局の用に供するために貸し付けられていた一定の建物※(郵便局舎)であること
※その賃貸借契約の当事者である被相続人又はその被相続人の相続人が有していた建物に限ります。

・平成19年10月1日から被相続人に係る相続の開始の直前までの間において、上記の賃貸借契約※の契約事項に一定の事項以外の事項について変更がないこと
※平成19年10月1日の直前に効力を有する賃貸借契約に限ります。

・相続開始以後5年以上引き続き、日本郵便株式会社が借り受けることについて総務大臣の証明がなされたものであること
※総務省の下記サイトをご参照ください。

https://www.soumu.go.jp/yusei/souzokuzei.html

・その郵便局舎の敷地のように供されている土地等についてすでにこの特例の規定の適用を受けていないこと(賃貸人一代限り

相続税の課税価格

上記の要件を満たせば400㎡まで相続税の課税価格を80%減額することができます。
上記の要件を満たさない場合であっても、貸付事業用宅地等に該当すれば200㎡まで50%の減額をすることが可能です。

おわりに

この記事では郵便局舎の敷地に係る小規模宅地等の特例について説明しましたが、小規模宅地等の特例では要件を満たすかどうかの判定が重要です。
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