2024.10.10

贈与契約書はなぜ必要?税務的なポイントと書き方について

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

この記事をシェアする

友だち追加

はじめに

相続対策の為に贈与を考えているけれど、贈与契約書の作成って難しい?と悩んでいる方へ。

この記事では、贈与契約書の書き方から注意点、また税務的な注意点をわかりやすく解説します。

贈与契約書がなぜ必要なのか?

贈与によって相続対策ができる

贈与とは、生前において財産を他人へ移転することです。

相続は、人が死亡した後に財産が法定相続人に引き継がれるのに対し、贈与は生前に行うため、相続税の対策として有効な手段の一つです。

例えば、高額な不動産を所有している場合、それを生前に子供などに贈与することで、相続時に相続税がかかる財産を減らすことができます。

ただし、相続開始前3年(R6年以降の相続については徐々に7年に延長されます)以内にあった贈与については相続財産に持ち戻されます。

また、贈与をする財産の金額により、贈与税が課せられます。贈与税の基本については下記の記事をご参考ください。
相続テラス:贈与税の基礎と特例及びその活用方法

贈与者と受贈者の意思確認、証拠を残すことで避けられる

税務調査での贈与が成り立っていたことの証明になる

相続の税務調査では、過去に行われた贈与が、本当に贈与として認められるかが重要なポイントとなります。

贈与が成立するためには、贈与をした人と、贈与された人が、それぞれ「贈与する」「贈与される」という意思を持っていないとダメなのです。

例えば、昔もらった物でも、贈与された時の状況や財産の管理方法等により、贈与と認められない可能性があります。

実際に、専業主婦の方がコツコツ貯めたへそくりが、亡くなった配偶者の名義預金とみなされ、贈与ではなく相続税を課税されたことがあります。

贈与契約書があると、贈与をした人と、贈与された人が、その時点で贈与という行為を行ったという証拠になります。 

税務調査の際に、贈与契約書があれば、贈与が成立していたことを明確に証明できるため、とても有効な手段と言えるでしょう。

贈与契約書に書くべきこと

基本的なこと

贈与契約書には、以下の項目を必ず記載する必要があります。

  • 贈与者: 贈与を行う人の氏名、住所
  • 受贈者: 贈与を受ける人の氏名、住所
  • 贈与財産: 贈与する財産の名称、数量、評価額など
  • 贈与の日付: 贈与契約を締結した日
  • 署名・捺印: 贈与者と受贈者の署名・捺印

上記以外にも、贈与条件や特約など、必要に応じて記載することができます。

不動産を贈与するときの注意点

不動産を贈与する場合には、以下の点に注意が必要です。

  • 登記:不動産の所有権移転登記の手続きが必要になります。事前に全部事項証明書を法務局で取得し、登記事項を記載のうえ贈与して下さい。
  • 抵当権:贈与する不動産に抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消の手続きが必要になる場合があります。
  • 登録免許税・不動産取得税:不動産を贈与した場合通常の贈与税の他、登録免許税や不動産取得税がかかります。
  • 印紙税:不動産の贈与契約書は一律200円の印紙が必要です。

贈与契約書でよくある質問

贈与税の申告はいつまでにすればいいのか?

贈与があった年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告と納付を行う必要があります。

ただし、110万円未満の贈与については申告不要です。

贈与契約書は何度でも書き換えられるのか?

贈与契約書は、当事者間の合意があれば、いつでも書き換えることができます。

ただし、贈与税の申告に影響を与える場合があるため、税理士など専門家に相談することをおすすめします。

定期的な贈与があるときは契約書は一枚でもいい?

贈与をする都度作成してください。

例えば1000万を長年書けて贈与をするために、毎年100万円定期的に渡すという内容のものがあれば全体の1000万円に課税される可能性があります。

おわりに

いかがでしたか?この記事では

  • 贈与契約書の書き方
  • 贈与契約書の注意点

についてご説明いたしました。贈与は、相続対策として有効な手段ですが、その一方で、様々な注意点があります。
相続に関する無料相談を行っていますのでお気軽に福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)にご相談下さい。

※LINEでお問い合わせを受付中!

以下のリンクから公式アカウントを友だち追加して、相続に関して分からないことや相談したいことがありましたら、トークルームからお気軽にお問い合わせください!

メッセージをお待ちしています。

https://lin.ee/xWu5KLP

M_761azsbq_GW.png?oat__id=3482431&oat_content=qr?ref=thumb

この記事をシェアする

友だち追加
  • 平日夜間対応
  • 事前予約にて
    土日祝対応
  • テレビ会議対応

相続に関すること、お気軽に
ご相談ください。相談は無料です。