目次
はじめに
- ご自身で相続税申告を作成される場合、他の事例を見ておくことで未然にミスを防止することができます。
- 本記事では、国税庁が公表している「誤りやすい事例」を基に、実務でもよくミスしやすい箇所を絞ってご紹介いたします。
国税庁が公表している「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」について
参考サイト(2023-07-19時点)
▼国税庁 相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sozoku-tokushu/souzoku-ayamarijireishu29.htm
今回ご紹介している国税庁の特集ページを掲載します。(以下、「事例集」といいます)
税理士が対応する場合でも、これらのミスは確かに起きやすいです。
相続税の申告書を作成する際には、こういったミスを起こさないようチェックリストを用いることはもちろん、作業を1人で完結させずに複数人で何重にもチェックを行うのが一般的です。
誤事例1 遺言で孫が財産を取得した場合
孫が故人とどういった関係であったかによって相続税の計算が異なります。
事例集では
- その孫が代襲相続人ではなく、故人の養子である場合
- その孫が代襲相続人である場合
- その孫が複数おり、いずれも養子である場合(故人の実子である父も健在)
孫が相続人であったり、孫に遺贈している場合には相続税申告書の作成をする際には気をつけなければいけません。
税理士でも孫が相続税申告に関わる場合には必ず以下のポイントに気をつけます。
- 法定相続人の数(実子がある場合における養子の数の算入制限)
- 相続税額の加算(いわゆる2割加算)
なお、事例集には載っていませんが、孫は遺贈により財産を取得しているため、相続開始前3年(令和5年度改正により段階的に7年に延長されます)以内に贈与により故人から財産を取得していた場合には、その財産も相続税に持ち戻されることになりますのでご注意ください。
誤事例2 保険事故が発生していない保険契約
故人の死亡に起因して支払われる保険金については誤ることは少ないです。
ミスしやすいのは、故人が保険料を支払っていた契約について、被保険者が故人以外のケースです。
つまり、保険料負担者が被相続人の保険契約は相続税申告時に財産計上しなければならないのですが、故人の死亡時に保険金が支払われない契約になっているため財産として漏れやすくなっています。
保険契約であっても、故人が保険料を負担している場合には相続税が課されることになりますのでご注意ください。
税務署は各銀行に過去の預金の取引情報を集めることができます。
その情報をもとに調査分析が行われ故人が保険料を支払っているものと認められるときには、納税者は相続税の税務調査で指摘を受けることとなります。
税務調査においては故人名義のみならず、各相続人名義のものまで情報収集されますので、税務署は誰が保険料を支払っているのかを把握しています。
誤事例3 団体信用生命保険
いわゆる団信をかけて住宅を購入されていた故人が、債務を返済前に死亡した場合には、住宅ローンの残債は返済が免除されます。
時系列的には、故人が死亡時には債務が残っているため債務控除ができそうな気がします。
しかし、団信により返済が免除された債務については控除ができません。
これは、相続税申告を税理士が行った場合でもミスをしやすいです。
相続税申告を行う際には、相続開始日の残高証明を金融機関に発行してもらい、これをもとに計算を行いますが、金融機関によってはこの団信で返済される予定の債務も記載されてしまうからです。
そのため、銀行借入等の債務がある場合には税理士も慎重に対応します。必ず団信の有無を確認を行います。
なお、債務が無くなりましたら、法務局で抵当権抹消登記を申請するようにしましょう。
おわりに
いかがでしたか?
この記事では相続税申告書の誤りやすい事例についてご説明いたしました。
相続に関する無料相談を行っていますので、お気軽に福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)にご相談下さい。
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