はじめに
相続した財産を売却する理由はさまざまです。
例えば、相続税の納付は金銭によって納付することが原則です。
相続税の申告期限までに納税資金を準備する必要があります。
しかし、相続税が課税された財産を売却した場合には所得税等が課税されてしまうので税金の優遇措置がないかと悩んでいませんか?
この記事で紹介する「相続税の取得費加算の特例」を活用することによって解決することができます。
なぜなら、納付した相続税の一定金額を所得税の計算上、控除することが出来るからです。
この記事では、「相続税の取得費加算の特例」の要件等についてご紹介します。
この記事を読み終えると、相続財産を売却しても納税資金に悩むことなく、相続税の取得費加算の特例をご判断頂けるようになります。
相続税の取得費加算の特例とは?
そもそも譲渡所得は
- 「収入 ー 取得費 ー 譲渡費用 ー 特別控除」
により計算されます。
相続税の取得費加算の特例とは、相続・遺贈によって取得した財産を一定期間内に譲渡した場合には、納付した相続税のうち一定金額を譲渡所得の計算上、取得費として加算することができる特例です。
※この特例は譲渡所得のみの特例です。事業所得及び雑所得については適用することは出来ません。
相続税の取得費加算の特例を受けるには下記の要件を満たす必要があります。
- ①相続・遺贈によって財産を取得していること
- ②財産を取得した方が相続税を納付していること
- ③相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること
取得費に加算する相続税額の計算方法
取得費に加算する相続税額は下記の算式となります。
その者の相続税額 × その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされた譲渡した財産価額 ÷ (その者の相続税の課税価格 + その者の債務控除額)
- 計算事例:
- 譲渡した相続人が支払ったの相続税500万円、譲渡した資産の相続税評価額2,000万円、その者が相続した財産合計額5,000万円
- 500万円×2,000万円/5,000万円=200万円
つまり、自分が支払った相続税のうち、譲渡した資産に対応する部分のみが相続税の取得費加算の特例の対象となります。
※譲渡益(不動産、株式などを売却した金額から取得費、譲渡費用を差し引いた金額)を超える場合には、譲渡益相当額が限度となります。
申告手続き
相続税の取得費加算の特例を受けるには、所得税等の確定申告が必要になります。
確定申告書には下記の書類を準備しなくてなりません。
計算明細書については税務署や国税庁のホームページから入手することが可能です。
- ①相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
- ②譲渡所得に関する計算明細書
- ③相続税の申告書の写し
終わりに
この記事では相続税の取得費加算の特例について解説しました。
相続財産を売却した場合は、特例が使える可能性があります。
一度専門の税理士に相談することをお勧め致します。
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