目次
はじめに
親族内で短期間に相続が立て続けに発生する場合があります。
夫の死後あとを追うように妻が亡くなる、親が亡くなった数年後に子が死亡するなどケースは様々です。
この場合、同一の財産について短い期間に2度も相続税を納めることになってしまい、1度目の相続から2度目の相続までの期間の長短により相続税の負担に著しい差が生じてしまいます。
今回は、この相続税の負担における差異の調整を目的として設けられている相次相続控除について解説していきたいと思います。
相次相続控除(そうじそうぞくこうじょ)
相次相続控除とは、10年以内に続けて相続が発生した場合に、2回目の相続税申告の際に税額控除ができる制度です。
つまり、2回目の相続で相続人が支払う相続税額が軽減されます。
1回目の相続を1次相続、2回目の相続を2次相続といいます。
ここでは、祖父・父・子の場合でご説明致します。
祖父・・・1次相続の被相続人(亡くなった人)
父 ・・・祖父から財産を取得
2次相続の被相続人
子 ・・・2次相続で父から財産を取得
適用要件
相次相続控除の適用要件は次の3つで、すべてに当てはまる場合が対象です。
ここでも〈祖父・父・子〉で解説しますが、〈夫・妻・子〉などの様々なケースがあります。
しかし、夫→妻→子の場合だと一次相続で配偶者の税額軽減を使って配偶者が相続税を納めていないケースがほとんどなのでこのパターンだと相次相続控除は適用しないケースが多いと思います。
子が父の相続人であること
この税額控除を受けることができるのは相続人のみです。
相続人とは、配偶者及び子(子がいない場合は親、親も既にいない場合は兄弟姉妹)で民法で定める相続人です。
一見当然のようですが、相続を放棄した人や相続権を失った人は対象外ということです。
また、相続人ではない親族や第3者が財産を取得した場合も控除を受けることはできません。
祖父の死後10年以内に父が死亡していること
1次相続から2次相続までの期間が10年以内の場合、控除を受けることができます。
祖父死亡時に、父が祖父から財産を取得し、相続税が課税されていること
1次相続の際に、財産を取得していても相続税がかからなかった場合は対象外です。
控除額
控除額は、1次相続で父が支払った相続税額のうち一定の金額です。
1次相続から2次相続までの期間が1年長くなるごとに10%ずつ控除できる金額が少なくなります。
つまり、1次相続から2次相続までの期間が短いほど控除額は大きくなります。
具体的な計算式は下記の通りです。
A:2次相続の被相続人が1次相続の際に課せられた相続税額
B:2次相続の被相続人が1次相続の際に取得した純資産価額
(純資産価額とは、取得財産の価額から葬式費用などの債務を引いた金額です)
C:2次相続で財産を取得したすべての人の純資産価額の合計額
D:2次相続のその相続人の純資産価額
E:1次相続から2次相続までの期間(1年未満の期間は切り捨てます。)
相次控除を適用せずに申告してしまった場合
2次相続の申告期限から5年以内であれば、もう一度申告書を提出して相次相続控除の適用を受けることができます。
納めすぎた税金が戻ってきます。
最初の税額が分からない場合
相次相続控除の適用を受けるためには、1次相続で父が負担した相続税額を正確に知る必要があります。
申告書が見つからず税額が不明の場合は、税務署で過去に提出された申告書を閲覧することができます。
相続人のほか、税理士も代理で閲覧できますのでご相談ください。
おわりに
いかがでしたか?
この記事では、短期間に立て続けに相続が発生した場合の相次相続控除についてご説明いたしました。
相続に関する無料相談を行っていますので、お気軽に福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)にご相談下さい。
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