目次
はじめに
相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらず、未分割申告(「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して、法定相続分での相続税申告を行うこと)をしたが、その後、遺産分割協議がまとまった。
未分割申告で相続税を多く払い過ぎていた場合には、還付を受けることができると聞いたが、どのような手続きをすれば良いのだろう?
とお悩みではございませんか?
今回のコラムでは、未分割申告で相続税を多く払い過ぎてしまった場合の、還付を受ける方法「更正の請求」について、ご説明いたします。
(※未分割申告後の更正の請求は、通常の更正の請求とは異なる部分がございます。今回のコラムでは、「未分割申告後の更正の請求」についてのご説明になりますので、ご注意ください。)
※未分割申告については、以前のコラムでもご紹介しています。参考までにこちらの記事もご覧ください。
▼【未分割】遺産分割協議が終わっていない場合の相続税申告の仕方
https://www.earlycross.co.jp/souzoku/isanbunkatukyougigaowatteinaibaainosouzokuzeishinkokunoshikata/
未分割申告後の更正の請求(還付)の手続きの方法
未分割申告後に、相続税の還付を受けるためには、「更正の請求」という手続きが必要になります。
①まず、「相続税の更正の請求書」に必要事項を記載します。
詳しい書き方については、次の章でご説明します。
※「相続税の更正の請求書」は、国税庁のHPからダウンロードすることができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/pdf/10-01.pdf
②次に、「次葉 申告又は通知に係る税額及び更正の請求による課税標準等又は税額等」という書類を記載します。
(必要に応じて、「次葉 更正の請求による課税標準等又は税額等」の付表1~7も記載します。)
※上記書類も国税庁HPからダウンロードすることができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/1585-10_01.htm
この書類には、遺産分割協議がまとまった後の、相続税の税額計算を記載することになりますので、先に相続税の修正申告書を作成しておく必要があります。
修正申告書から、該当の金額を転記していくイメージです。
③更正の請求の根拠となる資料を用意します。
具体的には、以下のような資料が必要となります。
- 相続税の修正申告書
- 遺産分割協議書
- 印鑑登録証明書
など
④「相続税の更正の請求書」に、③の根拠資料を添付して、被相続人(お亡くなりになった方)の住所地の税務署へ提出します。
▼相続税の更正の請求の手続きについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
国税庁HP「相続税及び贈与税の更正の請求手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/1585-10.htm
未分割申告後の「相続税の更正の請求書」の書き方
それでは、未分割申告後の「相続税の更正の請求書」の、詳しい書き方について、ご説明いたします。
①更正の請求の対象となった申告又は通知の区分及び申告書提出年月日又は更正の請求のできる事由の生じたことを知った日
⇒ここには、当初に提出した、未分割申告時の相続税の申告書の提出日などを記入します。
②次葉のとおり
⇒はじめから「次葉のとおり」と記載してありますので、記入不要です。
③添付した書類
⇒ここには、更正の請求の根拠となる添付資料を記入します。
具体的には、
- 相続税の修正申告書
- 遺産分割協議書
- 印鑑登録証明書
などです。
④更正の請求をする理由
⇒ここには、更正の請求をする理由を記入します。
具体的には、
- 〇〇年〇〇月〇〇日に遺産分割協議が成立し、〇〇の特例を適用させるため
などです。
⑤更正の請求をするに至った事情の詳細、その他参考となるべき事項
⇒ここには、更正の請求をするに至った事情や、参考となるべき事項について記入します。
⑥還付を受けようとする銀行等
⇒ここには、還付金の受け取り口座を記入します。
受取口座の名義は、ご本人名義でなければいけませんので、ご注意ください。
未分割申告後の「相続税の更正の請求書」の注意点
未分割申告後の「相続税の更正の請求書」の注意点について、ご説明いたします。
①遺産分割協議がまとまった日から、4ヶ月以内に提出する必要があります。
⇒通常の相続税の更正の請求と異なり、未分割申告後の更正の請求の場合は、遺産分割協議がまとまった日から、4ヶ月以内に提出する必要があります。(通常は、相続税の申告期限から5年です。)
期限が短いので、ご注意ください。
②還付を受けようとする相続人の方が、それぞれ「相続税の更正の請求書」を提出する必要があります。
⇒代表の方が、他の相続人の方たちの分もまとめて還付を受ける、ということはできません。
③被相続人(お亡くなりになった方)の住所地の税務署へ提出する必要があります。
⇒還付を受ける方の住所地の税務署ではありませんので、ご注意ください。
④この請求書を提出したからと言って、必ずしも請求が通る(還付される)とは限りません。
⇒根拠が不十分だったり、期限が過ぎてしまった場合などは、更正の請求が認められず、還付を受けることができなくなりますので、十分に注意してください。
おわりに
いかがでしたか?この記事では
- 未分割申告後の更正の請求
についてご説明いたしました。
特例の適用の計算なども考えると、更正の請求は相続専門の税理士に依頼することをお勧めいたします。
お気軽に福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)にご相談下さい。
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