目次
はじめに
若くしてお亡くなりになられた場合などに、相続人の中に未成年者の方がいらっしゃる場合があります。
未成年者であっても相続税の申告は必要ですが、相続手続きや申告をどうすればいいんだろうと悩んでいませんか?
この記事では、未成年者の相続人がいらっしゃる場合の相続手続きや受けられる控除などについて解説します。
未成年者とは
未成年者とは、18歳未満の人のことです。
民法改正により、令和4年4月1日以降については、民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられています。
未成年者は、原則として法定代理人の同意がなければ法律行為を行うことができません。
遺産分割協議の留意点
未成年者は、法律行為をすることができませんので、遺産分割協議の際には法定代理人(親権者)の同意が必要になります。
この時、共同相続人の中に親権者と未成年者がいる場合は、お互いに利益が相反することとなりますので、子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければなりません。
例えば、父が死亡した場合に、共同相続人である母と未成年者の子が遺産分割協議をする場合です。
特別代理人選任
特別代理人は、資格は特に必要ありませんが、未成年者の利益を保護するために選ばれるものですので、特別代理人としての職務を適切に行えることが必要です。
特別代理人を選任するには、子一人につき印紙代800円を支払い、子の住所地の家庭裁判所に次の書類を提出します。
- 申立書
- 未成年者及び親権者の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 特別代理人候補者の住民票又は戸籍附票
- 遺産分割協議書案
また、裁判所から追加書類の提出を求められる場合があります。
遺産分割協議書の内容
未成年者の利益を保護するという観点から、原則として未成年者の法定相続分を確保した遺産分割協議書案を作成することとなります。
ただし、事情によっては、親権者が全ての財産を取得することを、裁判所が認める場合もあります。
この場合は、裁判所に「未成年者の利益が保護されていると考えられる理由」の説明を求められることもありますので、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
未成年者控除
相続人が未成年者のときは、相続税の額から一定の金額を差し引くことができます。
これを未成年者控除といいます。
未成年者控除が受けられる人
未成年者控除が受けられるのは次のすべてに当てはまる人です。
- 相続開始日に18歳未満であること (以下、「18歳」とあるのは、令和4年3月31日以前の相続または遺贈については、20歳となります)
- 相続又は遺贈により財産を取得したこと
- 法定相続人であること(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)
- 相続開始日に日本国内に住所があること(一定の場合を除く)
※未成年者が財産を全く取得しない場合は未成年者控除自体が適用できなくなるので注意が必要です。
計算の仕方
未成年者控除の額は、その未成年者が満18歳になるまでの年数1年につき10万円で計算した額です。
※ 年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。
(例)未成年者の年齢が14歳9か月の場合
9か月を切り捨てる⇒14歳
18歳までの年数⇒4年
未成年者控除額⇒10万円×4年で40万円
未成年者控除額が相続税額を上回る場合
未成年者控除額が、その未成年者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。
この場合は、その引き切れない金額をその未成年者の扶養義務者(注)の相続税額から差し引きます。
また、その未成年者が今回の相続以前の相続においても未成年者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。
(注)扶養義務者とは、配偶者、直系血族および兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。
おわりに
いかがでしたか?
この記事では、相続人が未成年者である場合の手続きなどについてご説明いたしました。
未成年の相続の場合には、相続税の申告期限(亡くなられてから10か月)までに、裁判所に遺産分割協議書案を提出し、特別代理人の選任を請求してから、申告書の作成・提出をしなければなりません。
短い期間で申告書の作成をする必要がありますので、専門家へのご依頼をおすすめします。
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