目次
はじめに
マイホームを売却した時や相続した不動産を売却した際は譲渡所得の確定申告が必要となるケースがあります。
売却した時の税金は大まかに言うと
(売却価額ー(不動産の取得費+譲渡費用)ー特別控除)×税率
となります。
この時、不動産の売却価額から不動産売却時の取得費を差し引くことになるので不動産の取得費が大きく税金に影響を与えることになります。
この記事では、ケース別に不動産の取得費についてまとめました。
不動産売却時の取得費とは?
不動産売却時の取得費とは、その不動産の購入代金や購入手数料などです。
建物部分についてはこの購入金額から減価償却費相当額を差し引いた金額が取得費となります。
しかし、相続や贈与により取得した不動産については不動産の購入金額が不明な場合があります。
このような時は特例として売却金額の5%を概算の取得費として認められています(措法31の4)。
なお、実際の取得費が売却価額の5%未満の場合でも売却価額の5%の概算取得費を適用することができます。
相続又は贈与により取得した不動産の取得費
相続や贈与により取得した不動産の取得費は、亡くなった方や贈与した人が購入した不動産の購入金額や手数料などが不動産売却時の取得費となります。
つまり、取得費を引き継ぐことになります。
なお、限定承認を行った場合については、限定承認はその性質上、相続人が被相続人の債務及び遺贈につき、相続によつて取得した財産を限度とする責任(一種の有限責任)を負うことを留保して行う相続の承認であるため、その態様が被相続人から相続人に財産を売却したときと同様となります。
そのため、限定承認で取得した不動産を売却する際は相続時に時価で取得したものとして不動産の取得費を計算するとなります。
また、限定承認により取得した財産を相続後に売却した場合においては、相続ではなく売買により被相続人から財産を取得したものとして税務上は処理しますので、相続税の取得費加算の特例の適用はできませんのでご注意ください。
財産分与により取得した場合の取得費
財産分与により取得した不動産については、分与を受けた時の時価により取得したものとします(所基通38‐6)。
なぜなら、その資産を財産分与請求権と引換えに取得したということができるからです。
その資産の取得に要した金額は、その財産分与請求権の額=その資産のその分与時における時価の額となります。
代償分割により取得した場合の取得費
他の相続人より代償分割より現物で不動産を取得した場合は、その代償分割を受けた時の時価が取得費となります(所基通38‐7)。
これは、その不動産は代償分割により取得した債権の弁済として取得した資産であり、遺産そのものではないからです。
なお、代償分割により負担した債務に相当する金額は、債務を負担した者が相続により取得した資産の取得費には算入されません。
遺留分侵害額請求により金銭に代えて不動産を取得した場合の取得費
遺留分を侵害された相続人は他の相続人に対して遺留分を侵害されたとして 、 その侵害額に相当する金銭の支払を請求することができます。
遺留分侵害額請求は原則として金銭により請求することになるのですが、金銭に代えて不動産で支払われることもあります。
この場合は、遺留分侵害額請求額が取得費となります(所基通38‐7の2)。
その他の場合の取得費
居住用不動産の買換え特例などを受けた場合は別途計算された金額が取得費になります。
また、相続不動産を売却した際は自身が支払った相続税を取得費に加算できる特例もあります。
詳しくは下記のリンクを参照下さい。
【相続した居住用財産を譲渡したときの取得費は?】
https://www.earlycross.co.jp/souzoku/souzokusitakyojyuuyouzaisannwojyoutositatokinosyutokuhiha/
【相続財産を売却した場合の特例(相続税の取得費加算の特例)】
https://www.earlycross.co.jp/souzoku/souzokuzei-shutokuhikasann/
おわりに
いかがでしたか?この記事では
- 相続又は贈与により取得した不動産の取得費
- 財産分与により取得した場合の取得費
- 遺留分侵害額請求により金銭に代えて不動産を取得した場合の取得費
- その他場合の取得費
についてご説明いたしました。
相続に関することは、お気軽に福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)にご相談下さい。
相続に関する無料相談実施中です。
※LINEでお問い合わせを受付中!
以下のリンクから公式アカウントを友だち追加して、分からないことや相談したいことがありましたら、トークルームからお気軽にお問い合わせください!
メッセージをお待ちしています。
よく読まれている記事
- 平日夜間対応
-
事前予約にて
土日祝対応 - テレビ会議対応