目次
はじめに
配偶者に対して相続税がどれくらいかかるか不安な方もいるのではないでしょうか?
この記事で紹介する相続税の配偶者控除について理解すれば、その不安を解消することができます。
なぜなら、相続税の配偶者控除では、相続財産がある一定の金額までなら全額控除できるからです。
この記事では、そもそも相続税の配偶者控除とはなにか、そして控除の条件や注意点などについてご説明させていただきます。
この記事を読み終えると、配偶者控除について理解を深めることができ、不安も解消することができます。
相続税の配偶者控除とは
相続税の配偶者控除では、配偶者の相続財産が1億6000万円までなら、相続税はかかりません。
また、もし1億6000万円を超えてしまったとしても、民法で定められた法定相続分の範囲内であれば相続税はかかりません。
法定相続分は相続人によって変わりますので、下の表をご覧ください。
法定相続人 | 配偶者の 法定相続分 | その他の相続人の 法定相続分 |
配偶者と子 | 1/2 | 1/2 |
配偶者と直系卑属 | 2/3 | 1/3 |
配偶者と兄弟姉妹 | 3/4 | 1/4 |
そもそもなぜ配偶者にこのような控除が認められているかというと、以下の3つの理由が挙げられます。
- 配偶者の老後の生活を保証するため
- 配偶者が財産形成に少なからず貢献しているため
- 同一世代間での相続のため、次の相続発生までの期間が一般的に短いと考えられるため
配偶者控除を受ける条件
配偶者控除を受ける条件として、以下の3つが挙げられます。
戸籍上の配偶者であること
戸籍上の配偶者であれば、婚姻期間は問われません。ただし、愛人関係や内縁関係では認められません 。
相続税申告書を税務署に提出すること
配偶者控除を適用し、税額がゼロになっても申告書の提出は不可欠です。
申告期限までに遺産分割が完了していること
配偶者控除の金額は、実際に相続した財産額に基づいて計算しますので、申告期限(相続開始日から10カ月以内)までに遺産分割が完了している必要があります。
ただし、申告期限までに遺産分割が間に合わなかった場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して一度申告・納税し、遺産分割完了後、分割が行われた日の翌日から4か月以内に申告書を訂正する旨の更正の請求を行えば、配偶者控除を適用することができます。
配偶者控除額は一次相続と二次相続をセットで考える
二次相続とは、次に配偶者が亡くなった相続のことをいいますが、配偶者控除の適用の際には、二次相続のことも考慮しなければなりません。
なぜなら、一次相続の際に配偶者控除を最大限に活用し、多くの相続財産を配偶者に配分してしまうと、二次相続の際の子の相続税が多額になる場合があるからです。
相続税には「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」で求められる、基礎控除という相続税がかからないラインというものがあります。
二次相続は一次相続と比べ、相続人の数が減るので基礎控除額も減ることになるため、子の負担する二次相続税額は大きくなります。
したがって、一次相続では必ず二次相続までシミュレーションを行って配偶者控除の額を検討する必要があるのです。
おわりに
相続税の配偶者控除は、相続財産が1億6000万円までという、よほど遺産が多額である場合を除き、ほとんどの方が全額控除できるといえる特例です。
ただし、前述しましたように、配偶者控除適用後に税額がゼロであっても、期限内申告書の提出が必要となります。
また、遺産分割協議が期限内に整わない場合は、一度未分割の状態で申告書を申告期限内に提出する必要があります。
その際には、「3年内の分割見込書」を添付し、一旦相続税を納付しておき、遺産分割が確定した後に再度申告書を提出し、その際に配偶者控除を適用するという事になります。
さらに3年内に分割が確定しない場合は、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し承認を受ける必要がありますのでご注意ください。
また、一次相続の際に、二次相続税を考慮した配偶者控除の適用を行うことで、二次相続税が多額にならないような、遺産分割協議をすることが大変重要となります。
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