目次
はじめに
相続対策の一環として不動産の生前贈与を検討されている方も多いのではないでしょうか?
不動産の生前贈与はメリットもありますが、様々な注意点もあります。
この記事で紹介する注意点を事前に把握しておけば生前贈与を行ったあとでトラブルになることが避けられるようになります。
この記事のポイントは、
- 生前贈与には登録免許税、不動産取得税、贈与税がかかる
- 賃貸不動産を贈与するときは負担付贈与に注意する
- 相続時精算課税制度で生前贈与を行ったら相続税の計算時には小規模宅地等の特例が使えない
- 相続時精算課税贈与を行ったら贈与時の価額で相続税を計算することになる
- 副業禁止、扶養から外れることもある
となります。
不動産の生前贈与のメリットだけでなく注意すべき点まで把握すれば確実な生前贈与が行えることになります。
注意点その1 不動産の生前贈与にはコストがかかる
不動産の生前贈与を行うにあたってまず意識しないといけないことは、不動産名義を変更する際のコストです。
具体的には下記のようなコストがかかることになります。
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 贈与税
登録免許税と不動産取得税併せて固定資産税評価額の4~5%ほどの税金がかかります。
また、贈与税は暦年贈与か相続時精算課税で大きく税額変わってきますが、不動産を生前贈与する際はほとんどが相続時精算課税を選択するかと思います。
※相続時精算課税制度について詳しくはこちら。
注意点その2 賃貸不動産を贈与するときは負担付贈与に注意する
賃貸用不動産を生前贈与するときは必ずといっていいほど預かっている敷金があるかと思います。
その際に注意すべき点は「負担付贈与」というものです。
負担付贈与とは一定の債務を負担させることを条件とした贈与をいいます。
負担付贈与と認定された場合は、
「時価から負担額を差し引いた額」に対して贈与税がかかることになります。
時価は、一般的に相続税評価額より金額が高くなりますので、通常の贈与より贈与税額が多くなる可能性が高くなります。
この負担付贈与を回避するためには、敷金相当部分を金銭にて贈与すれば負担付贈与とは認定されないことになりますので賃貸用不動産を贈与するときは必ずセットで行うようにして下さい。
注意点その3 生前贈与するより相続時まで所有していた方がいい場合もある
不動産を生前贈与する際はほとんどの方が相続時精算課税制度を利用して贈与することになるかと思います。
相続税には「小規模宅地等の特例」といって、自宅や賃貸用不動産を相続した人が受けることができる特例があります。
この特例は非常に効果の大きいものなので相続税の計算時には必ず適用するものなのですが、生前贈与時はこの小規模宅地等の特例による評価減は適用することができません。
したがって、所有されている不動産の状況をみてどの不動産を生前贈与するのか、または贈与しないかの判断を行わなければなりません。
また、相続時精算課税贈与を行った場合は相続税の計算を行う際に贈与時の価額によって財産を評価することになります。
例えば新築で建てたばっかりの建物を贈与してしまうと贈与時の価額でロックされてしまうので、最終的な相続税の申告の際にその建物は新築の金額で評価されることになります。
したがって、贈与以降に値下がりが予想されるものについては相続時精算課税贈与を行うのではなく、値上がりの予想されるものを贈与すべきです。
注意点その4 副業禁止、扶養から外れる可能性のもある
会社によっては不動産賃貸業などの副業を禁止している会社もあるかと思います。
生前贈与を受ける方は会社の規定を確認する必要があるでしょう。
また、贈与を受ける方が旦那様の扶養に入っていることもあるかと思います。
不動産収入も当然に所得となりますので金額によっては扶養を外れる恐れもあります。
この扶養には所得税の扶養と社会保険料の扶養と二種類ありますのでどちらの扶養も外れると金銭的負担が大きくなるので贈与を受ける方は注意が必要です。
おわりに
この記事では不動産の生前贈与時の注意点をまとめました。
もう一度まとめると
・生前贈与には登録免許税、不動産取得税、贈与税がかかる
・賃貸不動産を贈与するときは負担付贈与に注意する
・相続時精算課税制度で生前贈与を行ったら相続税の計算時には小規模宅地等の特例が使えない
・相続時精算課税贈与を行ったら贈与時の価額で相続税を計算することになる
・副業禁止、扶養から外れることもある
これらの点に気をつけながら生前贈与を検討されて下さい。
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