2020.04.13

3種類の遺言と民法改正

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

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更新日:2020年4月13日

はじめに

遺言とは、自分が死亡した時に遺産をどのように分配するかなど自己の最終意思を明らかにするものです。

原則として、遺言者の意思に従った分配が行われます。通常、遺言がないと相続人に対して遺産が承継されます。

お世話になった人に対して財産を渡したい場合には遺言書に記載することにより財産を渡すことができます。

平成 30 年 7 月に相続法の改正に伴い、遺言書について一部改正となりました。

今回は改正点及び遺言書の種類について解説します。

3種類の遺言

遺言には下記のように3つのパターンがあります。

  1. 自筆証書遺言
  2. 公正証書遺言
  3. 秘密証書遺言

自筆証書遺言

軽易な方式の遺言であり、自書能力さえあれば他人の力を借りることがなく、いつでも自らの意思に従って作成することができます。

ただし、自分で遺言書を書くことになるため形式の不備により無効となる可能性があります。

公正証書遺言

遺言書を公証人の関与の下で、2 人以上の証人が立ち会うなどで厳格な形式に従って作成します。

遺言者は、遺言の内容について公証人の助言に受けながら作成することが出来ます。また、公証人が遺言書の原本を厳重に保管されます。

公証人の助言を受けながら作成するため費用が掛かります。

参考に日本公証人連合会のこちらのサイトをご参照下さい。

秘密証書遺言

遺言の内容を秘密にしたまま、遺言者が証書に署名押印した後、封筒に入れ封印し公証役場にて証明してもらう制度です。

遺言の内容が秘密であるため形式の不備により無効となる可能性があります。

今般の民法改正

平成 30 年 7 月に相続法の見直しに伴い自筆証書遺言について方式緩和と保管制度が創設されました。

自筆証書遺言の方式緩和(平成 31 年 1 月 13 日施行)

自筆証書遺言について財産目録を作成する際は手書きで作成する必要がなくなりました。

財産目録をパソコンで作成、通帳のコピーを添付することにより自書によらない財産目録でよいこととなりました。

しかし、全文パソコンで作成することが出来ず遺言書の本文については手書きで作成する必要があります。

法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設について(令和2年 7 月 10 日施行)

自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することができるようになりました。

作成した本人が遺言書保管所に来て手続きを行う必要があります。

保管の対象となるのは自筆証書遺言のみとなり、遺言書は封のされていない法務省令で定める様式に従って作成されたものに限ります。

まとめ

自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することができます。

作成した本人が遺言書保管所に来て手続きを行う必要があります。

保管の対象となるのは自筆証書遺言のみとなり、遺言書は封のされていない法務省令で定める様式に従って作成されたものに限ります。

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