2021.04.11

相続した財産で非課税になるものとは?

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

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はじめに

相続税は亡くなった方の全ての財産に対して課税されます。

しかし、財産の性質、社会政策的な目的によって相続税が課税されない財産もあります。

この記事で紹介する相続税の非課税財産を活用することによって相続税の節税につながります。

なぜならば、ご自身の財産を非課税財産に変えることによって相続財産を圧縮し、ご相続人の負担を軽減することにつながるからです。

また、非課税財産は法律によって決まっています。

この記事のポイントとしては、どのような財産が非課税となるか、非課税財産の活用のポイントについて解説していきます。

この記事を読み終えると相続税の非課税財産の理解が深まります。

相続税の非課税財産とは

相続税が非課税となる財産は下記の通りとなります。

①墓地、仏壇、仏具、祭具

ただし、純金製などの高価なものや骨董品的な価値があるものについて課税されます。

②国や地方公共団体へ寄付した財産

国等へ寄付する場合には相続税の申告期限までに行う必要があります。

③公共事業用財産

宗教、慈善、学術などの公益を目的とする事業を行う個人で相続によって公益を目的とする事業に使われた場合に限ります。

④心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利

⑤生命保険金等

生命保険には非課税枠が設けられており、「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。

⑥死亡退職金当

死亡退職金には非課税枠が設けられており、「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。

⑦個人経営の幼稚園事業等で一定の要件を満たす場合

相続人が幼稚園事業等を引き継ぐ必要があります。

⑧皇位とともに皇嗣が受けた物

生命保険金等・死亡退職金等の注意点

生命保険金等・死亡退職金等を受け取った相続人は非課税枠内であれば相続税の課税はありません。

しかし、相続人以外の人や相続放棄をした人が生命保険金等・死亡退職金等を受け取った場合には非課税枠を使うことができません。

  • 【生命保険の失敗事例】
  • 家族構成:父(被相続人)、息子(相続人)、孫(相続人ではない)
  • 契約者・保険料負担者・被保険者:父
  • 保険金受取人:孫
  • →相続人ではない孫を保険金受取人とした場合には相続税の非課税の対象となりません。さらに、孫の場合には相続税の2割加算の対象となるため相続税の負担が重くなります。

非課税財産を活用する対策①

相続税の非課税財産は、亡くなった後に購入予定の財産をご生前のうちに購入することによって相続税の圧縮につながります。

例えば、預貯金5,000万円を保有している場合には、相続税の課税対象は5,000万円となります。

仮にご生前のうちに墓地を預貯金200万円で購入した場合には、預貯金200万円が減るため、4,800万円が相続税の対象となります。

墓地200万円は相続税の非課税財産に該当するため相続税の課税はありません。

非課税財産を活用する対策②

預貯金8,000万円、法定相続人2人の場合で生命保険を加入する場合としない場合の相続税の課税対象について考えてみましょう。

まず、非課税枠は法定相続人が2人であるため、500万円×2人=1,000万円となります。

  • 【生命保険に加入しない場合】
  • 預貯金8,000万円が相続税の課税対象となります。
  • 【生命保険に加入する場合】
  • 預貯金8,000万円から保険料1,000万円を負担し、相続が発生した際に生命保険金1,000万円を法定相続人に支給した場合の相続税の課税対象は7,000万円となります。
  • 法定相続人が受け取った生命保険金については、生命保険金1,000万円から非課税枠1,000万円が差し引かれます。

ご生前のうちに対策することによって、相続財産を圧縮することが出来ます。

おわりに

この記事では相続税の非課税財産について解説しました。

相続税の非課税財産を活用することによって、相続税の節税につながります。

また、ご生前のうちに対策をすることが大切です。

生命保険等を活用した対策や墓地等を購入する対策は比較的使いやすい対策であります。

しかし、使いやすい対策であるため専門家に相談せずに非課税枠を使用できないケースもあります。

福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)では、初回面談を無料で行っております。

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