ワクチン接種が進んでも、新たな亜種のウイルスが発生し、ますます
「アフターコロナ(コロナ後)」ではなく、「ウィズコロナ(コロナとの共生)」の事業戦略、事業計画の策定が効果的となっています。
税務調査についてもコロナ禍は、一斉中断されていたものの、昨年に続き、10月から再開され、多くの税務調査が行われています。
今回は、コロナ禍の税務調査についてご説明します。
コロナ禍における国税庁の調査方針は、
「真に税務調査が必要な事業者」に対する調査を実施することです。
真に税務調査が必要な事業者とは、わかりやすく言うと、
① コロナ禍で利益が出ている事業者
であり、かつ、
② 多額の課税もれが見込まれる事業者
③ 不正取引が見込まれる事業者
で、このまま見過ごすと社会的な影響が大きい事業者、また、
④ 調査を実施しないことで税務署が調査できる対象期間が過ぎてしまう事業者
を指します。
多くの事業者はコロナに関する様々な給付金や助成金、一次金を受給し、緊急的なコロナ融資を受けて、その経営ダメージをしのいでいる状況ですから、そのような事業者には税務調査は実施されません。しかし、なかには、コロナ禍を理由として仕事が忙しい、利益が出ている、もしくは、コロナの影響をあまり受けていない事業者がいることも、また事実です。
さらに、単なる計算誤りであっても、社会的な影響の大きいもの、例えば消費税や源泉所得税などは、そのミスが多くの取引先や従業員に波及しますので、所得税や法人税よりも優先されます。
当然、給付金の不正受給や、売上除外、架空経費の計上など脱税、不正取引などは、コロナを理由に調査しないわけにはいきません。
税務調査は通常5年間、不正取引が把握された場合7年間まで遡りますので、コロナによって、今年であれば調査できた事業年度が、来年では調査が出来なくなってしまう場合が出てきます。
このような事例に該当する事業者の方は、今後税務調査が行われることを想定していたほうが良いでしょう。
ところで、「税務リスク」という言葉はご存じでしょうか?
リスクとは、将来何か悪いこと、不利益が生じる可能性があることを指し、
税務リスクとは
「税務署の指摘によって課税もれ、経費(損金)が否認(否定)され、追徴される(想定しない税金を支払うことになる)可能性があること」
であり、
「税務署から電話や文書によるお尋ね(取引や財産についての照会)、税務調査が実施される可能性」
とも言えます。
「税務署による指摘」を、さらに深く掘り下げると「納税者の主張・解釈が税務調査で認められないリスク」と言いかえることもできます。
年間の売り上げが1000万円に届かない個人事業者に対して、先日、税務調査の立ち合い2件行いましたが、1つは、それほど多額の納税に至らなかったものの、もう一つは過去にさかのぼって、多額の所得税や消費税が追徴されました。
「こんな小さな会社まで税務署が来ないだろう。」
「これくらいは、バレないだろう。」
と思っていた事業者も、これまではよかったのかもしれませんが、それは、「たまたま」であり、上記の「真に税務調査が必要な事業者」に、しっかりと該当するものと考えます。
先ほどの事例で多額の納税を強いられた事業者とそうでなかった事業者の違いは、何だったのでしょうか?
税務リスクに対応する方法は「適正な申告」を行うことで、「脱税」や「租税回避」をすることではなく「節税」をすることです。私どもで、そのサポートをさせていただきます。
税務調査があってから、追徴課税されると、加算税や延滞税など余計な税金を支払うことにもなりますし、何より、不安で本業に集中できません。
何事も事前の検討や、リスクを管理することは経営の必須事項であり、大切な「節税対策」だと考えます。
自分のところは大丈夫だろうかと思われる方は、是非ご連絡ください。