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持ち家の経費の計上方法

個人事業主の場合、事務所を自宅のほかに構えるのではなく、自宅の一部を事務所として利用している方も少なくありません。賃貸の場合は家賃を按分すればよいのですが、自己所有のマンションや持ち家の場合はどのようにして経費計上するのでしょうか。今回は持ち家の経費の計上方法について、簡単にご説明します。

まず、賃貸であれ、持ち家であれ、計上する経費を按分するために、事業使用割合を決定する必要があります。事業で使用している割合を決定する方法の1つとして、床面積で区分する方法があります。仕事部屋とプライベート部屋を分けて、廊下やトイレ等共用部分は面積比で按分します。こうして計算した事業使用割合を利用して、光熱費等も按分計算のち経費計上することができます。

賃貸の場合は毎月の家賃や光熱費等の合計に事業使用割合をかけて経費計上しますが、持ち家の場合は下記の金額の合計に事業使用割合をかけて経費計上します。

・持ち家の減価償却費

持ち家の減価償却費を計算するためには、まず、建物の取得価額(物件価額+仲介手数料、登記費用等取得費)を計算します。マンションの場合、売買契約書には建物と土地の合計金額のみが記載されていることが多いため、記載されている消費税÷8%(購入時の消費税率)で建物の取得価額を計算します。

減価償却費は、建物の取得価額×通常の耐用年数の償却率で計算します。なお、平成10年3月31日以前に取得した建物は旧定額法もしくは旧定率法、平成10年4月1日以後平成19年3月31日以前に取得した建物は旧定額法が適用されます。

入居後しばらくしてから事業を開始した場合には、事業で兼用しはじめた時点の建物の評価額として、未償却残高を計算します(青色申告決算書の貸借対照表に建物の簿価を記載するため)。

未償却残高=建物の取得価額-建物の取得価額×0.9×耐用年数の償却率×経過年数

自宅として使用していた建物は非事業用資産に該当するため、通常の耐用年数の1.5倍の年数の定額法の耐用年数を使用し、経過年数は6ヶ月未満は切捨て、6ヶ月以上は切り上げます。平成19年度税制改正において、平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産には、「償却可能限度額」及び「残存価額」が廃止され、法定償却方法は定額法とされましたが、非業務用資産の減価の額の計算は旧定額法によることに留意しましょう。

・住宅ローン金利

住宅ローン金利も経費計上できますが、住宅ローン控除を受けている場合、事業使用割合には住宅ローン控除を受けられない点に注意しましょう。また、事業使用割合 が50%以上の場合は住宅ローン控除自体を受けられません。従って、住宅ローン控除を受けたほうが得か、持ち家の経費計上をしたほうが得か、住宅ローン控除を受ける際に確認する必要があります。なお、住宅ローン控除の計算上、事業使用割合が10%以下の場合は100%居住用として取り扱われるため、事業使用割合 を10%以下に設定して節税する方法もあります。

・固定資産税、火災保険料、地震保険料

持ち家でも経費を計上することができますが、賃貸借契約書や事業共用割合の算出根拠資料をきちんと保管しておくことが大切です。持ち家がご自身の名義ではなく配偶者等生計を一にする者の名義であっても、経費として計上することができます。今回は、持ち家の経費計上に関して簡単にご説明しました。なお、上記の経費計上方法は説明のための一例であり、仕事部屋として使用する時間等により経費計上金額が異なる点ご了承ください。経費計上に関してご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

 

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