空き家問題は年々深刻化しており、5年に1度総務省が行っている住宅・土地統計調査によると2013年の全国空き家数は820万戸、空き家率は13.5%と過去最高になりました。野村総合研究所によると、2033年には総住宅数は約7,100万戸に増大し、空き家数は約2,150万戸、空き家率は30.2%にまで上昇すると予測されています。今回は、相続と関連して空き家対策について簡単にご説明します。
今年の5月に完全施行された空き家対策特別措置法により、著しく保安上の危険があったり、著しく衛生上有害となるおそれがある「特定空き家等」について、市町村が強制的に対処できるようになりました。もちろん、いきなり強制対処するわけではなく、改善の助言、指導から勧告、命令、強制対処と段階的に進むのですが、勧告を受けた段階で固定資産税の特例対象から除外されてしまいます。勧告を受けると、特定空き家等の土地の固定資産税・都市計画税が増税されてしまうこともあり、空き家対策は早めに実行せざるをえない状況になっています。
空き家を所有するきっかけとして多いのが、相続です。実家を相続したものの、自分が今後住む予定はなく、そのまま放置していても、税金はかかり続けるうえ、特定空き家等になってしまうと強制対処される可能性もあります。その空き家は次の相続でまた子ども等に引き継がれるわけですので、自分が住む予定がないのであれば、賃貸物件にすることや、売却することも選択肢の1つとして検討する必要があります。
空き家対策を考えるときは、まず、その物件のある地域や近隣環境を分析します。近隣物件の種類(ワンルーム、ファミリータイプ等)や家賃設定を調査したうえで、空き家を賃貸物件とする場合の家賃設定やリフォームもしくは建替え費用を計算し、長期修繕計画も含めて収益が見込めるか確認しましょう。また、売却する場合も、相続税の観点から、売却代金を現金で残すか、他の不動産で残すかを検討しておきたいところです。
さて、親から相続した実家が借地だった場合についても少し触れておきたいと思います。すでに別の場所に住んでおり、今後も相続した実家に住む予定がない場合、借地であっても、地代を支払っているかぎり、建物を第三者に貸すことは可能です。借地権を相続した場合には、まず、地主に相続した旨の連絡をして、契約関係を確認しましょう。借地権は第三者に売却することもできますが、名義書換料として売買価格の1割程度を地主に払う必要があります。借地権は一般的に地主側よりも借りているほうの立場が強いですが、親がお世話になってきたため、相続後どうするかは話し合いのうえ円満に解決することが望ましいでしょう。
空き家を成り行き上所有している方は、今のうちに専門家に一度相談してみましょう。弊所でも節税対策をご提案しており、不動産コンサルタントをご紹介することも可能ですので、是非お気軽にご相談ください。
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