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税務調査

税務調査の実際の流れ ④臨場調査 その2

税務調査は、通常、会議室等のスペースで行われますが、必要に応じて、金庫の中や机、ロッカーを確認したり(現況調査)、現場を観察したり(現物確認調査)、取引先に調査をしたり(反面調査)して補完されることがあります。

現況調査の具体的な方法は調査官によりますが、基本的には担当者に調査官がついていき、机やロッカーの中の資料を担当者に出してもらって中身を確認します。必要な資料は会議室に持ち帰って内容を検討しますが、現況調査によって提出された資料から重加算税につながる資料が見つかることが多いそうです。現況調査を避けるためには、必要な資料は速やかに提出し、あやしまれないことが大切です。

現物確認調査は、棚卸資産や貯蔵品、固定資産等の会社の資産を実際に現場に行って確認する調査ですが、倉庫に行ってみたところ計上されていない商品の在庫があったり、経費として損金となっているカタログが山積みになっていたり、もしくはあるはずの在庫が消えていたりすることがあります。

反面調査は取引先に行われるものですが、たとえば、役員の海外研修について、旅程表を見るかぎり業務出張として問題がなさそうに見えるものの、研修の具体的内容をヒアリングしてもあまり資料が出てこない場合、旅行会社に実際の旅程を確認することがあります。そこで、観光のみであった等発覚することがあります。取引先も税務調査には正当な理由なく断ることができませんので、手元にある資料は提出することとなります。

このように、税務調査は様々な方法で行われるため、必ずしも、事前通知の際に告げられた予定日数で終わるわけではありません。予定期間で終わらずに、納税者に質問を投げて、もしくは、調査官が持ち帰って内部検討をして会社に後日来ることもよくあります。後日の来社を避けるためには、調査官からの資料要求や質問に対して、できる限り迅速に対応することが必要ですが、不確かなことを言ったり、提出資料の内容をチェックせずに提出すると、かえって調査が長引くため、資料の提出についても税理士に相談し、事前のチェックは必ず行いましょう。

税務調査の実際の流れを4回にわたりご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。 不正をしていなければ、そんなに怖がる必要はなさそうですよね。万が一、魔が差して、実はこんなことしてしまいました、という場合も、まずは税理士に相談しましょう。税務調査が入ることになったときには、専門の税理士に相談して落ち着いて対応して乗り切りましょう。

 

税務調査の実際の流れ ①調査対象の選定

税務調査の実際の流れ ②事前通知

税務調査の実際の流れ ③準備調査

税務調査の実際の流れ ④臨場調査 その1

税務調査の実際の流れ ④臨場調査 その2

 

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小西公認会計士事務所
公認会計士・税理士 小西慎太郎
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