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税務調査

税務調査の実際の流れ ②事前通知

前回の税務調査の実際の流れ①調査対象の決定に続き、今回は②事前通知についてご説明します。

調査対象の会社が決定した後は、通常会社や税理士に対して調査の予告(事前通知)が行われます。国税庁によると、法人税調査の約9割、個人所得税調査の約8割が事前通知のうえで調査されています。事前通知に関しては従前は規定がありませんでしたが、平成25年1月1日に施行された改正通則法に以下のとおり規定されました。

・税務署長等は実地調査着手前に、納税義務者および税務代理権限を証する書面を提出している税務代理人がいる場合にはその代理人に対して原則として電話により口頭で事前通知を行う

通常調査予定日の2-3週間前ぐらいまでに連絡があり、日程確定後準備してほしい資料の一覧表をFAXで送付してくることが多いです。また、事前通知後に会社を半日訪問し調査開始日程の確定と準備資料リストの提出・説明がされることもよくあります。この訪問時に会社の概況説明が聞かれることもありますので、信頼できる税理士に立ち会ってもらうのが良いかと思います。ちなみに、電話連絡が何度かけてもつながらない場合には事前通知なしで調査に着手する可能性があります。

・事前通知には実地調査を行う旨および以下の項目を通知する

①実地調査開始日時

②調査開始場所

③調査の目的

あくまで「目的」であり、調査対象に選定された「理由」の開示はされません。

④調査の対象となる税目

⑤調査の対象となる期間

⑥調査の対象となる帳簿書類その他の物件

国外保存書類調査対象期間以外の期間にかかるものも含みます。対象年度以外の年度も非違が発見されると調査できるため、時効期間にわたって調査される可能性はあります

⑦その他調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項(調査官の氏名等)

このように事前通知が突然行われますが、もちろん、合理的な理由がある場合は調査日時の変更ができます。関係通達には、病気・怪我等による納税義務者や代理人の一時的な入院、納税義務者等の親族の葬儀、その他納税義務者等の親族の葬儀、その他業務上やむを得ない事情が合理的な理由の例示としてあげられています。例示されている理由以外でも、調査官が納得する理由であれば認められるかと思います。

なお、改正通則法では、事前通知なしの「無予告現況調査」を行う要件が明記され、たとえば、事前通知により帳簿書類の破棄が行われたり、正確な課税標準や税額の把握を困難にするような行為が行われるおそれがある場合に限って事前通知は行わないものとされています。また、事前通知なしの調査には、税務署長等の承認が必要になりました。不正等をしていなければ、通常事前通知がありますので、そんなに心配する必要はありません。

最後に、調査の際に通常準備すべき資料をご紹介します。

・会社組織図

・関係会社との資本系統図

・職員の配席図・本社ビル内の部署配置図

・会社案内(パンフレット)

・取扱品目の説明資料(サンプル)

・業務システム・会計システムの概要

・経理規程・分掌規程

・ 総勘定元帳・補助元帳

・法人税及び消費税申告書の控え

・請求書・領収書綴り

・請求書控え・納品書控え

・決算調整資料、申告調整資料

・給与台帳・一人別源泉徴収簿

・税務署への各種届出書

・稟議書・役会等議事録

・各種契約書・覚書

・海外送金/受金のアプリケーション等

調査初日にすべての資料を準備することができない場合には、可能な範囲準備し、その準備ができなかった資料でどうしても必要なものについては提出可能な範囲で代替資料を検討することになります。顧問税理士もしくは信頼できる税理士に相談して、しっかりと準備しましょう。弊所でも、税務調査対応のお手伝いをお引き受けしておりますので、お気軽にご相談ください。

 

税務調査の実際の流れ ①調査対象の選定

税務調査の実際の流れ ②事前通知

税務調査の実際の流れ ③準備調査

税務調査の実際の流れ ④臨場調査 その1

税務調査の実際の流れ ④臨場調査 その2

 

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