小西公認会計士事務所コラムvol.25
今回は医療費控除の対象となるもののうち、意外と知られていない見落としがちなものをご紹介したいと思います。医療費控除は所得控除となり、税金の負担が小さくなりますので見落としがないようにしましょう。
一年間に10万円を超える医療費を支払った場合には医療費控除が受けられ税金の負担が小さくなります(総所得金額等が200万円未満の場合には、総所得金額等の5%を超える金額になります)。医療費控除の申請には、領収書等といった医療費の支出を証明できる資料が必要になります。そのため、毎年医療費控除の申請をすることが分かっている場合はもちろんですが、偶発的な事象によって医療費控除が受けられることになる場合もありますので、普段から医療費の支出に関する領収書等はきちんと分かるように保管しておきましょう。
医療費控除の申請をするためには医療費の支出に関する領収書等を保管しておくことが大切だということは分かりました。しかし、そもそも医療費控除の対象となる医療費にはどのようなものがあるのでしょうか。医療費と聞くと、やはり風邪をひいて病院で診察を受けた際の治療費や薬代等が思い浮かぶと思いますが、実は医療費控除の対象となるものには他にも様々なものがあります。治療に関するものであれば、病院に支払うもの以外にも対象となるものが結構あるのです。以下に一般的に見落としがちだと思われるものを列挙してみます。
1.風邪をひいたけれど病院には行かず、薬局で風邪薬とビタミン剤を購入したという場合、ビタミン剤は残念ながら対象外ですが、風邪薬代は医療費控除の対象となります。
2.指圧師によるマッサージやはり師・きゅう師による施術を受けた場合、その目的が治療に直接関係するものである場合にはこれらにかかった費用は医療費控除の対象となります。日頃の疲れを癒すためや体調を整えるためにこれらの施術受けた場合の費用は対象外となることに注意しましょう。
3.病院までバスに乗って行った場合や治療のために医師に家まで来てもらった場合、この通院費や送迎費は医療費控除の対象となります。ただし、自家用車による通院にかかるガソリン代や駐車料金は対象外です。
4.病人の付添いや世話等を他者にお願いした場合、これらにかかる費用は医療費控除の対象となります。ただし、対象となるのは所定の対価のみであり心付け等は対象とはならないこと、また、家族や親族等に依頼する場合は付添料等を支払ったとしても対象とはならないことに注意しましょう。
5.妊婦さんの場合は、妊婦健診及びそれにかかる交通費も医療費控除の対象となります。また、出産のために入院する際に利用したタクシー代については、その緊急性から医療費控除の対象となります。入院中に病院から支給される食事は医療費控除の対象となりますが、出前等による食事は対象外となる点に注意しましょう。
6.メガネ・コンタクトの費用は基本的に対象外ですが、レーシック手術代・オルソケラトロジーの費用は近眼の治療費になりますので医療費控除の対象となります。
いかがでしたでしょうか。忙しい方や確定申告の手続きをする機会の少ない方はなかなか面倒な作業に感じるかもしれませんが、10万円を少し超えただけでも面倒だと思わずに確定申告を行うと、所得税の還付を受けるだけでなく住民税も安くなります。そのため、普段から医療費に関する領収書等はきっちり保管するようにしましょう。
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公認会計士・税理士 小西慎太郎
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